【フランス 対 スペイン】


元からとんでもなくタレントが揃っていた所にモナコ勢が加わってきて選手層が恐ろしい事になっているフランス代表。3-1で勝利したルクセンブルク戦からシステムを4-3-1-2に変更してきた。GKとセンターバックは前回と同じ。サイドバックはモナコペアから右にジャレ、左にクルザワに。3センターは右からトリッソ、カンテ、ラビオ。個人的にはラビオを真ん中で見たかったな〜。んでトップ下と2トップの右にはグリーズマンとガメイロのアトレティコ組。レ・ブルー初先発の18歳ムバッペ君は2トップの左に入りました。ジルーはベンチ!

一方スペイン代表。こちらもすんげえタレント揃い。落選したメンバーの名前を見ると「この人が選ばれないのか… 」と思ってしまうような選手ばかり。スタメンはほぼ普段通り。イスコやイニエスタは頻繁にポジションチェンジしていた。

"4-3-1-2の配置的問題"



4-3-1-2の問題はサイドに枚数が少ない、又は3センターの選手がスライドするのに時間が掛かる事。フランス代表側もそれは意識していたと思う。でもボールより速く移動出来る選手なんていない。増してや足元の技術が超一流だらけのスペイン代表が相手。簡単にボールの逃がし所を作られてラインを後退させられていた。

フランス代表の狙いは恐らく機動力の優れた2トップ+グリーズマンで2CB+ブスケツを捕まえる事だったと思う。だけどスペインの両センターバックの巧さにやられたな〜って感じ。特にセルヒオ・ラモスの剥がし・散らしはエグかった。

スペイン代表は押し込んだ状態からの攻撃でもサイドの数的優位を狙う。IHの位置でイニエスタやイスコがボールを保持してラビオやトリッソをピン留めし、サイドバックを浮かせていた。コシェルニーはモラタと激しいマッチアップ、ジャレはスペインの幅取り役(イスコやイニエスタ、モラタが入れ替わりながら。)への対応をしなくてはならないため、ボールサイドでのフランス代表の守備陣は一杯一杯。
ここで浮いた状態のアルバやカルバハル(時にはIHの選手)がSB-CB間に走り込む事によりフランス代表は混乱状態に。

前半のスペイン代表はこのような形からチャンスを作るも最後が合わない、又はロリスに防がれるというのが多く見られた。

"フランス代表の攻撃"

一方、フランス代表。こちらの攻撃の狙いはカルバハルの裏(ピケ横)のスペース。スペイン代表の守備時はペドロが前に出てモラタとツートップ気味になり、それに連動するようにカルバハルも高い位置まで出て行く事が多く見られた。右センターバックのピケは足が速いタイプでは無い。今シーズンは読みが鋭くなりカウンターを事前に潰せるようになったもののスペースがある状態ではどうしてもスピード勝負になってしまう。だから「そこに足速い奴を走らせようぜ!」ってのがフランス代表の狙い。

序盤は特に前半2分にガメイロが抜け出し、前半4分はそこからムバッペに決定機、前半10分にはムバッペの抜け出しからFK獲得とチャンスを演出していた。

ラモスサイドからチャンスを作れなかった理由はイスコとイニエスタがジャレとトリッソをボカした守備をした事によりアルバが低い位置を取れていたからって事と、単純にラモスがそんな状況への対応に慣れていたからだと思います。なんせマドリーでは左サイドがロナウドとマルセロと言う超攻撃的なコンビだからね( 笑 )

ボールを保持するスペイン代表。カウンターを狙うフランス代表。この構図で試合は進み、大きな動きは無く0-0のまま前半終了〜。

"ハーフタイム後の両チーム"

後半。フランス代表はHTでラビオ→バカヨコの交代。トリッソが左に移りバカヨコは右に入る。スペイン代表は5分くらいでイニエスタ→チアゴ、イスコ→シルバの交代。
スペイン代表の前プレのシステムがよりハッキリとした4-3-3に変更される。センターバックの位置からの散らされると裏への対応が間に合わない場合があるんで、CB+降りてくるカンテに時間を与えずロングボールを散らされる位置をGKまで下げさせようという狙い。GKからのボールとなれば当然、距離やボールの滞空時間は長くなるからピケ・ラモスが競り勝てる!って考えだったと思う。

しかしフランス代表だって考えてるんだぜ〜と。ロリスがターゲットにしたのはジャレ。アルバとの空中戦の優位を活かしてスラしたボールにガメイロが反応する形。ボールがズレたりジャレが競り負けたりした場合でも、そのサイドにはセカンド回収の鬼バカヨコがいるよーんと言うイヤラシさであった。
バカヨコの投入はスペインの定位置攻撃への対策という狙いもあったと思う。バカヨコが中央を制限して逆サイドへの展開を阻止。カンテがスライドしてボールを狩りとってしまおうと言う算段。

ただ、これはあまり機能していなかった。と言うよりスペインの選手が上手すぎた。チアゴがバカヨコの死角に潜り込んだりシルバがハーフスペースに侵入してカンテにプレスの掛け所を絞らせなかったりと簡単にプレス回避をしてしまっていた。
恐ろしい人達だ。

試合が動いたのは後半20分。バカヨコのバックパスを投入されたばかりのデウロフェウが奪いエリア内に侵入。そのデウロフェウに我らがキャプテン・コシェルニーがウルトラスーパーお尻タックルをかましてPK。
そしてそのPKを読んでいたのがこの男!!





Giroud!!!(デウロフェウのちょい前くらいに投入されてますた)。んでもさ…


見えるか!!遅い!!! by ロリス

ってな具合でスペイン先制。

"得点・失点後の両チーム"

ジルーが投入されフランスに空中戦のターゲットが増えた事でスペインのDFラインは後退していく。前プレを掛けてもロングボールで解決されてしまうからね。まあスペイン側も「一点リードしてるし無理に奪いに行かなくても良いな」って感じだった。

ここからがフランス代表の問題。ラインを後退させたは良いけど中盤からのボール運びガガガ…。センターバックが楔を入れようにも前線の中盤補佐の意識が薄く停滞。新システムだけにここら辺は整備されていなかったみたい。どこにポジショニングを取るか迷いがあったように見えた。

ってなれば中盤の選手の持ち運びとなるんだが…バカヨコの不調が痛かった。軽率なロストが目立ち持ち運びがカンテ依存に。

そしてチアゴの肘ドンでコシェルニーが負傷。こんにゃろーまだアーセナルをボロボロにする気か…。だが甘いな。我らがキャプテンはボロボロになった時、通常の3倍の力を発揮するんだよ。


…なんて事は無く直後にスペイン代表追加点。トランジションから左サイドを攻略してデウロフェウ。バカヨコ、グリーズマン、カンテを置き去りにしたブスケツのマルセイユターンが秀逸だった。フランス代表の問題点であった中盤での持ち運びの所でボールを奪い、得点に繋げるという理想的な形だった。

その後はフランスがクロスを駆使して外殴りし続ける展開に。お互いメンバーをちょくちょく入れ替えましたがスコアは動かず2-0でスペイン代表の勝利。

"まとめ" 

新しいシステム・メンバーを試したフランス代表といつも通りのスタイルで望んだスペイン代表。その完成度の差が試合に出たのかなと。練度の高さが必要な4-3-1-2を代表でやるのは少し厳しい気もするけどまあ楽しみにしおこう。

・バカヨコ

個人的にとてもアーセナルに来て欲しいと思っている選手。この試合はボールが足に着かず失点の起点にも。まあデビュー戦だからね。モナコの時のパフォーマンスを発揮出来れば問題無いよ。

・トリッソ

今まで何度か噂があってついこの間また獲得の話ががが…。と言うのもトリッソがアーセナル好きらしくてね〜(笑)       <<トリッソのインタビュー記事>>
この試合はフランスが撤退守備を選択していたのでトリッソの攻撃面の良さが出にくい展開だった。まあこちらもクラブでの出来が半端ないので、問題無いっしょ。

・イスコ

イスコと言えばアーセナルへの移籍話。アーセナルの移籍話と言えばイスコ。今日は左サイドで先発。どのようなプレーだったかアーセナル風に言うなれば、フレブがドリブルのスタイルをグイグイからクネクネにした感じ(感じてw)

んま、移籍市場を楽しみにしとこう( 笑 )

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