【チェルシー 対 アーセナル】
17日に今季早くも3度目のビックロンドンダービーが開催されました。
この試合の結果・内容に対して、人それぞれ感じ方が違うと思いますが、個人的にとても楽しめた試合だったので纏めようと思います。
スタメンはこちら。
今季のアーセナルは3CBシステムをスタートで採用し、4バックシステムを流れを変えたい時のオプションにするという形を継続しています。
今回も恐らくそのプランで試合に臨んだのだと思います。
チェルシーを意識した特別な選手起用と言うのは無く、ボーンマス戦から変化があったのはエジルが負傷で代わりにイウォビがシャドウで出場って事のみ。
一方チェルシーも、ホーム・スタンフォードブリッジでの試合という事もあり、対アーセナル用の特別な選手起用というのはありませんでした。
代表で負傷したアザールが調整中という事以外はほぼベストな布陣(間違ってたらスミマセン)です。スタメン11人の内8人がミッドウィークのCLでもスタメンだったというのが不安要素かな。
バッチバチのミラーゲームです。
・WBを起点に2CH周りを攻略するアーセナル
チェルシーの守備組織について。
ミラーゲームという事は、相手の3CBへプレスを掛けるため、普段使っている5-4-1や5-3-2よりも3-4-3(5-2-3)のままで守備を行う時間が多くなります。
そしてその3-4-3(5-2-3)のシステムで最も枚数が薄くなるポジションは2CHのところです。
昨季はここにカンテ・マティッチと守備能力の高い2人を並べてバイタルに蓋をしていましたが、マティッチが移籍してしまったためこの試合でカンテの相方に起用されたのはセスクです。
ここを徹底的に叩こうというのがアーセナルの狙いでした。
そしてその攻略の方法がサイドによってそれぞれ違っていたのが面白かったです。
<右サイド>
局面はジャカからの散らしのパスがベジェリンへ入って、ボールサイドへ寄ろうとしたラムジーがズッコケているところ( 笑 )
ジャカへのアプローチを終えたカンテは自分のゾーンを埋めようと素早く帰陣していて、このままではカンテの背後を使う事は難しく、またジャカを使ってサイドチェンジをしようにもカンテとの距離が近く、再アプローチが怖いという状況。
ここでベジェリンは囮のパス。ジャカがカンテからボールを奪われにくいよう、遠い位置(ジャカの右足)に出してあげてるのが良いね。
これによってカンテ裏にスペースができ、ラムジーがパスを受けられるように。セスクはカバーする気ゼロ( 笑 )
ただ、立ち上がりで体力満タンという事もあり、しつこいカンテは3度目のアプローチを仕掛けてきます。
レスターに所属していた時は試合の8割守備!なサッカーだったからこれくらいは余裕なんだろうね。
まあでも、ジャカに戻してしまえば良いよねと。
流石にカンテでも、自分のゾーンをケアしながら4度追いってのは厳しい。よってジャカがフリーで逆サイドに展開できるように。
そして右サイドで時間を作って相手を寄せた事とウィリアンが戻りをサボっていた事により、左サイドはスカッスカ。
それを感じたのか、この後ウィリアンが焦ったように猛ダッシュで帰陣した事によってウェルベックへのパスコースは無くなってしまいますが、それでもコラシナツ+ドフリーのナチョという2つの選択肢がある状態に持っていく事が出来ています。
で、次はその20秒後のプレーについて。
局面は左サイドが攻撃をやり直そうと、最終ラインを使って右サイドへ展開したところ。
縦はマルコスアロンソに制限されていて、ジャカは逆サイドでの仕事を終えたばかりで距離が遠く、横パスを通そうとしてもインターセプトされる、または通ってもパスを受けたジャカが苦しくなるという状況。
ここでベジェリンは再び囮のパスを使います。リターンパスをより中央で受ける事でジャカとの距離を縮める+カンテをラムジーに食いつかせる事で自分とジャカにかかる圧力を軽減させる…と本当、頭の良い選手だこと。
ここでもラムジーがカンテからボールを隠せるよう、パスをラムジーの左足に出して上げてるね。
み、見えたー!!
ちとデカイけど、セスクを囲むトライアングルが…。カンテを釣り出した事によりセスク周りが剥き出しな状態に。ジャカも首を振ってそれを確認出来てる…。
これは列突破できるな( ̄▽ ̄)ニヤリッ

「………」
散髪確定だ☆
ベジェリン自身の頭の良さで生み出したモノだったので批判されるようなモノでは無いと思うけど、そんなミスで評価を落としてしまうのはものすごーーーーく勿体無いぞ〜。
と言うようにアーセナルの右サイドはベジェリン-ジャカ-ラムジー(イウォビorラカゼット)でトライアングルを作りカンテを動かす、そして動かした後も、
・カンテが自分のゾーンを守っている場合→空いている逆サイドへ展開
・カンテが自分のゾーンから離れている場合→イウォビの間受けやベジェリンとアロンソのスピードのミスマッチを利用して右の深い位置を攻略する。
というように、「カンテを意識した攻撃」を設計していました。
<左サイド>
次は左サイドからの攻撃について。
攻撃する際右サイドと左サイドとで1番違いがあるのは、相手CHの守備能力です。
悲しい事に、セスクの守備は本当に緩っゆるで、アーセナルの選手クラスだとまずボールを奪われません。アーセナル時代は普通に上手かったのにね。中の上くらいはあったと思う。現在は下手だけならまだしも、ハードワークのハの字も無くなっておる…。
だからアーセナルの左サイドの攻撃はセスクを飛ばして1個後ろのアスピリクエタを意識するよう、設計されていました。
・アスピリクエタがセスクの背後を埋めようとした場合(前半3分)
局面はアーセナルの左サイドからのビルドアップ。ウェルベックが縦パスを引き出そうとチェルシーのCH-WB間に顔を出しているところ。
図で見てわかるとおり、ナチョがボールを保持した時にナチョ-WB-CH-シャドウで菱形を確保するのが最近のアーセナルの特徴です。
コラシナツを経由すれば、ジャカにもウェルベックにもパスを通せる配置になっています。
ここでウェルベックにパスが通って前を向かれては、アーセナルの攻撃がスピードアップ+チェルシーの3CBが晒された状態となるため、アスピリクエタはセスクの背後をケアしようと前に出てきます。
ただ、アーセナルのCFは左抜けが得意な新加入のあの人です。
当然こうなりますよね〜( ̄▽ ̄)
この場面はダビド ルイスのカバーリングによってチャンスには繋がりませんでしたが、立ち上がりのこの時間に、アスピリクエタの頭の中に「アーセナルは積極的に裏を狙ってくるぞ」という意識を植え付けた事が次のプレーに活きてきます。
・アスピリクエタが裏のケアを優先した場合(前半3分30秒)
イウォビは首を振って周りの状況を確認し、相手SH-CH-CB-SBの四角形(もしくはSH-CH-CBの三角形)の丁度真ん中で間受けをしようとしています。
このイウォビの「間受け」がこの試合とても効果的で、チェルシーを苦しませる事になります。
この場面でチェルシーは、セスクとウィリアンが間を閉じる事によって縦パスが入る事を防いでいます。
がしかし、見方を変えればイウォビ1人に対してチェルシーは2人食いついていて、且つ中盤の背後のプロテクトは全く出来ていないという事です。
基本どのポジションでも1対1が組まれるようになっているミラーゲームで、そのような事があれば他のポジションの選手がフリーになるのは必然でしょう。
図ではウィリアンが絞った事でサイドのモンレアルがスペースを得られている事がわかります。
やはりラムジーはナチョへのパスを選択。
このモンレアルへパスが渡ったタイミングで、先ほどラカゼットに走られた事を意識してかアスピリクエタは中盤よりも、最終ラインの裏のスペースのケアを優先します。
で、ここでもう一度首を振って周囲の変化に気付けるのがイウォビの良いところ。
そのままライン間に留まり、ナチョ→コラシナツ→イウォビ→コラシナツ→イウォビとショートパスを繋いで前向きフリーに。
セスクがイウォビに全く圧力をかけられていないため、チェルシーの最終ラインは前にチャレンジすることが出来ません。
アーセナルの未来と言われていた選手のところを、現アーセナル期待の若手が攻略するという個人的にとても熱くなる流れでした🔥
・アスピリクエタがゾーンでは無く、人に付いた場合(前半6分)
その前のプレーの空中戦で競り合った影響もあってアスピリクエタはウェルベックのマークについています。
「人に付くの?じゃあ俺が動けば相手も動くって事だよね」とウェルベック(実際そんなこと考えているかは知らん)。
裏へのランニングでアスピリクエタを引っ張って〜の。
コラシナツからラカゼットへ斜めの楔ズドーン!
もうアスピリクエタからしてみれば、どんな事をしてもアーセナルの左サイドからの後出しジャンケン攻撃に逆を突かれるので、対応が全て後手に回るしか無いんですよね。
よってチェルシーのライン間の守備はほぼカンテ頼みの脆いモノとなっていました。
ここはセスクのところを狙うボスのチェルシー対策がドンピシャでハマったね。
「手塩にかけて育てた選手だからこそ弱点もわかっているのだよ…」って声が聞こえてきそうでたまらん。
・セスク切りの左と、ケーヒル狩りの右
アーセナルの前プレはこの試合のキーポイントとなりました。そしてそのプレスの掛け方も、攻撃と同様に左右で違いがありました。
・アーセナルのセスク対策
ミラーゲームなのでウェルベックは一応CBへ圧力をかける素振りをみせますが、展開力のあるセスクを抑えておく事を最優先としていました。
よってアスピリクエタがドリブルで持ち上がったり、高い位置でパスを受けようとしたりした時以外はほぼ放置。
ラカゼットも一応横移動をしていますが、ここでボールを奪う気は0。プレスを外された時のリスクが高いですからね。
で、ウェルベックはボールの移動中に首を振って背後の情報を取得し…
サイドへ落ちる等、イヤラシイ動きをするセスクに対してこのコース切り。
シャドウのウィリアンも縦パスの引き出しに動かないのでアスピリクエタはダビドルイスにリターンパス。
これがアーセナルの狙い。チェルシーの右サイドからは絶対に縦に運ばせないよと。
ただこの場面のように、アスピリクエタが高い位置でボールを受けた事とウェルベックが守備をセットした後にセスクがポジションを調整した事(ここら辺は相変わらず上手くてイヤラシイ)によって、コース切りが機能しない場面もあります。
その時はラカゼットのプレスバックで自由を与えないよという徹底したセスク対策。
セスクにとことん厳しいボス…( 笑 )
このように左サイドではコース切り・セスク対策に徹したアーセナル。逆に右サイドでは積極的なプレスでチェルシーを苦しめます。
狙い所になったのはケーヒル。
・ケーヒルのところでボールを狩る仕組み。
局面はチェルシーのビルドアップ。クルトワからケーヒルへボールが渡るところ。
アーセナルはイウォビが中を締めているところ以外はマンツーマンディフェンスで、あからさまにケーヒルサイドへ誘導しています。
そしてパスが出た瞬間にプレス開始。ケーヒルは左足を使えず角度をつける事がかなり苦手なため、プレスを受けながら縦にドリブルで運ぶというプレーは出来ません。
よってイウォビは縦のコースを捨ててカンテを切りながらケーヒルへプレスをかけ、「ケーヒルに残された選択肢はクルトワにボールを下げる事のみ」という状況へ追い込んで行きます。
んでクルトワの所も既にラカゼットが狙っているので…
クルトワはロングボールで回避するしかない→それを回収〜♪というよく練られた守備を見せていました。
コシェルニー・ムスタフィの2人がデュエルで勝利し続けた事により、ハイラインハイプレスの形を維持出来たのはアーセナルにとってかなり大きかったです。
身長が低いペドロはもちろん、モラタもこのような乱暴なロングボールを収める事に慣れておらずコンテはジエゴコスタ不在の痛さを感じたのでは無いでしょうか…。アトレティコ復帰が決まったあたりそうでもないのかな( 笑 )
で、その後、空中戦で勝てないなら地上戦だ!アーセナルが同じシステムで俺達のプレスを回避出来たのだから俺達にも出来るはず!
って事でチェルシーがショートパスでのプレス回避を試み始めたので見てみましょう。
ケーヒル「えっと…アーセナルはこの時WBを経由する事でCHにパスを出せていたような…」
ガッシャーン!
これなんですよね〜。アーセナルと違って前半のチェルシーにはCHをフリーにする、またはCHにかかる圧力を軽減するという工夫が何も無かったため、アーセナルの同数プレッシングをモロに受けてしまっていました。
質的優位が確保でき、ボールの預け所になってくれる選手がいればアーセナルのマークのズレを生み出してボール保持を安定させる事が出来たと思うけど、アザールはまだ調整中。
ん〜コンテの準備不足感があるな〜
ただ、アーセナルのプレッシングにも今後課題となりそうな場面が見られました。
それはラムジーのインテンシティへの依存度の高さです。
左サイドへ誘導してケーヒルのところを狙い所にするという三度似たような場面から。
今までとの違いはラムジーとイウォビが前のプレーでポジションチェンジをしていて、そのまま守備に移っている事。
これまた同じようにマルコスアロンソを経由してカンテにボールを渡そうという場面。
先ほどの図(時間的にはあっちの方が後)の場面ではラムジーがここをボールの奪い所にしていたのだけれど…。
イウォビとラムジーの走力の差か、カンテとの間を詰め切れずターン+逆サイドへの展開を許してしまいます。
ラカゼットがプレスバックしますが、ウェルベックがセスクのコース切りを行った影響でアスピリクエタがフリーになり、プレスを回避されてしまいます。
で、CHのスライドが間に合っていないこの状況で最悪なパターンはアスピリクエタの縦パスから、ウィリアンに間受けを許して守備陣形が整う前に攻め切られてしまう事。
よってウェルベックはCHがスライドをする時間を稼ぐため、出来るだけ攻撃を遅らせようとセスクより縦パスのコースをきることを優先します。
がしかし、速攻を成立させる鬼ことセスクはこれを逃さないんですよね〜。
首を振ってアーセナルのスライドが間に合って無い事を確認。角度を作ってパスを引き出し…。
なーんかさっき見たようなトライアングルを形成〜。
ウィリアンのフリックがペドロに渡り、あっという間に最終ラインが晒された状態に。
この後リターンを受けたウィリアンがパスを引っ掛けて事なきを得ましたが、非常に危ない場面でした。
同数プレスは各ポジションで相手と1対1を作る事でボール保持者の選択肢を削る事ができる代わりに、カバーリング用の選手がいないため、誰かが1対1で負けた時に一気に守備組織がズレてしまうというリスクを背負っているんですよね。
まあそれでも、前半にチェルシーのビルドアップが成功したのはこの1度のみ。それもアーセナルの配置に問題があった中での成功。
だから流れはビルドアップと前線からのプレスが機能していたアーセナルに傾いていきます。
・間受け職人イウォビ
先述の通り、チェルシーは守備陣の間でボールを受け続けるイウォビに苦しんでいました。
局面はアーセナルのビルドアップ。チェフが華麗な足技でモラタをかわし、ムスタフィがフリーでボールを受けたところ。
ムスタフィが3CBの中央で起用されるようになった理由の1つはフィードの精度の高さを活かすため。
この場面でチェルシーの2列目は、プレスに連動しようと重心が前に傾いていましたから、ここで逆を突いて列を飛ばしたパスを送り込む事はかなり効果的です。
そして、その注文通りのフィードがラカゼットに送り込まれます。
このパスを引き出してくれるラカゼットの存在は本当に有難い。ウェルベックがCFだと多分相手の最終ラインに張り付いてる( 笑 )
で、そのままケーヒルを釣り出してオーバーラップしてきたベジェリンへパス。
ココ!!
カンテ-ケーヒル-アロンソ-ルイスの四角形の間。誰がマークに付けば良いのか非常に曖昧なゾーンでパスを受けられるのが我らのイウォビ。
そしてカンテの背後を完全に取れています。右サイド、スピードアップのお時間です。
綺麗なワンツーパス!外→中→外と相手の視野を振り回してサイドの深い位置へ侵入できる理想的な形。
それに、イウォビにダビドルイスが食いついた事により中央はアスピリクエタとウェルベックの2人のみ。空中戦のミスマッチ作れるで…(この試合ウェルベックは空中戦でアスピリクエタにほぼ全敗していたってのは内緒w)
うおー!ベジェリンから珍しく高精度クロスが上がった〜!
だが、
「残念。そこはウェルベック。」
っていうチェフのセーブ並みの安定感でウェルベックが外してスコアは動かず。
これがこの試合で1番、アーセナルの決まり事がハッキリ現れてシュートに繋がった形かな。
次の場面。
局面はムスタフィがインターセプトしたボールをラムジーがコシェルニーに預けて、テンポを落ち着かせたところ。
ラムジーはリターンを貰う気満々でカンテがそれを警戒している状況。
ここでもイウォビの間受けがチェルシーに守備の的を絞らせないんですよね。
イウォビ「こっちだよーん。」
カンテ「なぬ!?」
カンテ「ボール奪ったる!」
イウォビ「ダブルタッチだよーん。」
カンテ「ぬぬ!?もういっちょ!」
ラムジー「スイッチだよーん。」
…と昨シーズンプレミア最優秀選手を相手にして遊んでいる21歳アレクサンダー イウォビ選手と、永遠の20歳アーロン ラムジー選手。
で、こっからラムジーがクネクネドリブルでボールを運び…。
2人の門の間を通すスルーパス。これを狙ってドリブルしていたのか気になるところ( 笑 )
最後はベジェリンのクロスにラカゼットが合わせるが、クルトワがセーブと。ダビドルイスのコース切りが秀逸だったね。
まだまだ終わらないイウォビ間受け集。
局面はアーセナルの攻撃でベジェリンとマルコスアロンソが1on1で激突しているところ。
イウォビはここでもやはり、相手守備陣のゾーンの間にポジショニングし、パスを引き出します。
で、誰がマークするのか曖昧なのでやっぱり複数の選手が反応してしまうチェルシー。(まあ複数の選手が反応する事自体は悪い事では無いのだけれど、そこでボールを奪い切れないとどこかにしわ寄せが行くよという事。)
このシーンもケーヒルとウィリアンが「ここでボールを奪う!」というビジョンを共有出来ていないため、それぞれが単発で飛び込んでいってしまい、
中央にターンされてセスクが釣り出されてしまいました。
で、イウォビに3人も食いついたのだから当然…
ジャカ周りにスペースができてジャカ砲ドッカンと。
強引に打ったミドルではなく、CHを最終ラインに吸収させて、空いた1-2列目間を使うという、戦術的に機能した上でのミドルってのが大事なとこ。
ただ、勘の良い人なら気付いているかもしれませんが、アーセナルがチェルシーにやってるこれ、同じシステムで守備をしているアーセナルにも有効な策なんですよね( 笑 )
例えばこのシーン。
局面はチェルシーの攻撃。左サイドのマルコスアロンソが間受けを狙うモラタにパスを通し、アーセナルの守備陣2人を食いつかせている状況。
モラタのターンに重心を外されジャカは最終ラインに。そしてラムジーがプレス隊に参加。
1人に3人も食いついたって事でモラタはバックパスを選択。
ここまでジャカのシュートシーンの過程とほぼ一緒。
少し異なるのがここから。アーセナルの攻撃時ではここでジャカがドフリーだったのに対して、この場面ではセスクにウェルベックが強烈なプレスバックを行っています。
「おっし!攻撃を遅らせられた!」とこの瞬間は思ったのですが、ここはチェルシーが上手でしたね。
ここでCBがオーバーラップとか反則ですやん…対応無理ですやん…
ここから先、何が起こったか言わないでもわかると思いますが…
アーリークロスからモラタの空爆ですね。はい。
オフサイドで助かりましたが、かなりヤバかったです。
チェルシーからすれば、再現性が高く得意としている形だったので、ペドロが抜け出したヤツとかよりもこれを外した時の方が「ぐあーーー!!」ってなっただろうな〜。
…と言うように最後のところがミドルと空爆って違いはあるけれど、WB→間受け→空いた浅い位置からの飛び道具っていう大まかな流れはほぼ一緒で、3-4-2-1システム同士のミラーゲームだとこの形が有効ってのがわかると思います。
まあでも、このようなピンチはチェルシーに比べてアーセナルはかなり少なかったです。
その理由はアーセナルがリバプール戦でフィルミーノ・ワイナルドゥムの間受けにちんちんにやられた反省として、間受け対策をみっちりやって来たからだと思います
・アーセナルの間受け対策。
局面はセカンドボールがセスクに渡ってウィリアンに縦パスが入ろうとしているところ。
ここ!
チェルシーの守備陣がイウォビに対して最後まで「誰がつくの?」と曖昧だったのに対し、アーセナルは「ここに入ってくるヤツはナチョが寄せる!」と守備の基準をハッキリさせていました。
寄せに迷いが無いぶん、圧力が高くなりウィリアンは前を向くことが出来ません。
そしてウィリアンのファーストタッチがアーセナルのCHがプレスに連動するスイッチとなります。
3人でアプローチして更に圧力を高め…
ミス誘発でボール奪取成功!という流れです。
この場面でもウィリアンに対するナチョの反応がかなり速い事がわかります。
ラムジーと頻繁にポジションを入れ替えるイウォビと比べて、ウィリアンはサイドの高い位置に張っている事が多かったので、モンレアルに的を絞られてしまっていました。
ここでもウィリアンのファーストタッチがプレスのスイッチ。
コラシナツ・ラムジー・ジャカの3人が挟み込みを狙います。もちろん、1人に4人も食いついては他のところでフリーの選手が発生してしまいますが、この時プレスバックしている選手全員がパスコースを遮断しながら圧力をかけているので、ウィリアンに回避される確率はかなり低く、試合を90分やる上での収支はこちらの方がプラスになるだろうって考えです。
4人で囲んでしまい、ボール奪取に成功しましたとさ♪
ビルドアップ、前プレ、ライン間の守備。前半はこれら全てでアーセナルが上回っていたと思います。
ただこの時間帯に得点出来ないってのが勝ち切れない理由でもあるんだろうな〜と。
前半かなり脆かったチェルシーは後半、コンテの修正で息を吹き返してきます。
・凄まじかったコンテの修正力。
後半頭からチェルシーはペドロ→バカヨコの交代。負傷の影響もあったのかな?
システムはセスクトップ下の3-5-2という表記のところもあったけれど、自分にはセスクが左寄りでプレーしていたように見えたのでここでは3-4-2-1のままで。
で、コンテの修正についてなのですが、最も手入れされたと確認出来たのがビルドアップですね。
<ビルドアップ整備① ロングボールに意図を持たせる>
局面はチェルシーのビルドアップ。クルトワからアスピリクエタへボールが渡ったところ。
セスクのポジションが1列上がった事により、ウェルベックのコース切りの対象がカンテになったという事以外、お互いの配置は前半とほぼ変わっていません。
前半のアスピリクエタはこのような場面ではクルトワを経由して左サイドへ展開しようとしていましたが、最終的にロングボールを"蹴らされる"という事がもうわかっています。
だからアスピリクエタは…
自分達の意図が伝えられる内にロングボールを蹴っちゃいましょうと。
狙いはウィリアンに対して迎撃に向かうモンレアルの裏のスペースをモラタに使わせること。
って事です( 笑 )
このロングボールの影響でアスピリクエタは守備の的を絞れなくなったのだから、モンレアルも同じ状態にしてやろうぜという…コンテさん性格悪いっすね〜( 笑 )
ただ、ここでコンテに1つ誤算が。それは裏抜けしたモラタがムスタフィに1on1で完封されてしまった事。
結局、モンレアルに「裏のスペースは危険だ!」と言う意識を植え付けられなかったので、モンレアルのウィリアンへの迎撃守備は緩まず、間受けの難易度の高さは変化無し。つまりこの策は失敗したという事です。
しかし、既に次の手を打っているというのがコンテの修正力の凄いところ。
<ビルドアップ整備② 質的優位によるプレス回避>
途中から投入されたバカヨコですが、この人やっぱり上手かったです。アーセナルに来て欲しかった…。
局面はダビドルイスがセカンドボールを拾い、近場で要求しているバカヨコにボールを預けるところ。
ボールは落ち着いておらず、チェルシーの選手のポジショニングもまだ整っていないため、ここはボール奪取のチャンスとみたラムジーがプレスをかけに行きます。
が、そのラムジーのプレスを物ともせず強引にターン。
この時点でアーセナルの選手はプレスに連動しようと前に重心をかけていたため、バカヨコのターンによって4人がボールより高い位置に置き去りになってしまいます。
このままズルズル下がってしまってはバカヨコにスピードアップを許してしまうだけなので、ジャカはアプローチ。
が、横のスペースを突いてこれまた強引にスピードアップ。
タッチが少し大きくなったので、コシェルニー迎撃隊長が前方にチャレンジするも…
モラタとワンツーを使って回避…って
止まらねえええええええ。
あっという間にアーセナルの最終ラインが晒された状態となってしまいました。
このシーンは何とかサイドへ誘導して攻撃を遅らせる事が出来ましたが、中盤から独力で剥せる・運べる選手ってのはカバーリングを用意出来ない同数プレスの天敵です。(バルサ戦のウィルシャーを知っているアーセナルファンは充分に理解していると思いますがw)
アーセナルのプレスの方法を見て、それをドンピシャで対策してくるコンテさん流石っすな〜。
…にしてもあの歩幅の大きさを活かした推進力…。オラアーセナルで見たことあっぞ。
アブさんやっぱ上手いな〜。— やわやわゔぇんげーる (@cbmkmcxtoia7w20) 2017年4月9日
こんな風に背の高い・手足の長い選手が、歩幅の大きさとヌルテクを活かして低い位置から持ち運んでいくドリブルかなり好き。
だからバカヨコやラビオはもっとアンカーで見たいな〜と思ってるし、こんな選手が定期的に出てくるフランス代表はお気に入り。 pic.twitter.com/ewjrMon068
やっぱアブさんだ/(^o^)\
アーセナルに来て欲しかった(2回目)
更にコンテは質的優位によるプレス回避以外でも、同数プレスのウィークポイントを突いてきます。
<ビルドアップ整備③可変システムによるプレス回避>
同数プレッシングはその名前の通り、前線から相手と同じ枚数でプレスをかける事で数的優位を創らせないのが特徴です。しかしそれは、「相手が3バックなら前線に3枚、相手が4バックなら前線に4枚、プレス隊を用意しなければならない」というように自チームの選手のポジショニングが相手基準になってしまう事を意味します。
つまり、チェルシーは上手い事やればアーセナルのシステムを弄れちゃうって事で、この試合でチェルシーはその上手い事ってのをやっちゃってました。
局面はチェルシーのビルドアップ。アスピリクエタがボールを保持したところ。
前半と違い、ここでダビドルイスがリベロの位置を空け前方に移動してきます。
「これどうするの?」とでも言ってるような感じでキョロキョロしているラカゼットは直ぐにチェルシーのポジション移動に気付いたんやろね。
このダビドルイスが空けた位置にバカヨコが落ちます(少々歪な4バック変換)。
で、同数プレッシング時のバカヨコのマークはラムジーなので、ラムジーは当然のようにプレスに行きます(ラカゼットと違って、多分ラムジーは何も考えて無いw)。
ですがこれ、チェルシーがシステム変更しているので、これまでと同じやり方だと結構ヤバイんですよね。
図で表すと…
こんな感じ。これまで3-4-2-1のミラーゲームに付き合ってくれていたチェルシーが最終ラインを4バックに変換した事で、アーセナルが気付かずに同数プレスを継続すると自動的に5-1-4のジャカ脇スカスカシステムになるよ〜って仕組み。(同数プレスに来なければチェルシーは最終ラインで4対3の数的優位が得られる)
で、予定通りラムジーが気付かずに食いついて来たのでバカヨコは…。
ジャカ脇スッパーン!!
横幅を1人で守るなんて事はジャカでなくとも不可能。それによる物+ウィリアンがナチョをピン留めしている事により出来た空間への素晴らしいパス。
パスを受けたカンテの他に逆サイドでセスクもジャカ脇を狙ってるあたりコンテの仕込みなんやろな〜と。
可変システムは本当に強度の高いプレスを食らうと選手の移動時間が削られてポジションを動かし切れない。というウィークポイントがあるのですが、アーセナルはアスピリクエタを放置していたのでそこで時間を得られると踏んだのだろうね。お見事。
このビルドアップの修正・整備によりアーセナルは守備の時間が長くなっていきます。
後半20分アーセナルはラカゼット→サンチェスの交代。
サンチェスの守備の穴を隠すために、最前線での起用にしたのだろうと思っていたけど、試合を見直してみたら最前線でも穴になりまくってましたね😅
・サンチェスの先読み単独プレス。
局面はチェルシーのビルドアップ。アスピリクエタがボールを保持したところ…っていつも通り言いたいのだけれど、いきなり(投入1分後)マズイでしょこれ。
サンチェスは、アスピリクエタがクルトワにボールを下げるだろうと先読みをしていて、ダビドルイスへのコース切りやプロテクトが全く出来ていない状況。
当然アスピリクエタはそこを見逃す訳がなく、
ダビドルイスへパス。
んで、ダビドルイスの足元の上手さは言わずもがな。中盤でもプレーするような選手に後追いで追いつけるはずがないんですよね。
あっという間にハーフラインまでボールを運ばれ、ウェルベック・ラムジー・イウォビが前プレ隊としてセットしていたのが丸潰れに。
この場面、ダビドルイスはセスクへの縦パスを選択し、最後はセスク→ウィリアン→セスクのパス交換が乱れて攻撃が終わるのですが、
セスクが縦パスを受けた時点ではこんな選択肢もあったんですよね~↓↓
サンチェスの単独プレスが原因で完全に守備組織がズレてしまっています。
更にその1分後…。
セカンドボールを拾ったケーヒルが後ろを向いた場面から。ここでもサンチェスは後ろのコース切り・プロテクトを疎かにしていて、GKへパスが出るだろうと先読みしてしまってます。
案の定、カンテにパスを入れられてしまいました。ラムジーはバカヨコを見るタスクも担っていたため1歩目が遅れ…
カンテに前に入られてしまいました。このタイミングでイヤラシイのがモラタとセスク。
モラタは対人鬼の迎撃隊長コシェルニーをピン留めし、セスクをフリーな状態に。
セスクはそれを理解してその場で間受け+ターン。
そしてドフリーな状態からスルーパス。
コシェルニーがなんとかスライディングでボールを巻き込んで阻止しますが、2分間でこうもビルドアップからスルスル運ばれるのは相当マズイですよね。
しかも、これはコンテがハーフタイムに整備していたものでは無く、前半のアーセナルなら防げていたモノってのがね…。
ラカゼットは前半、ウェルベックがコース切りを外された時なんか…
セスクをぶっ倒すくらいの勢いでプレスバックしてフォローして上げてましたよ。
・ラカゼットの守備→ケアすべき所を確実にケアしながらGKまでプレスに行く。
・サンチェスの守備→それらをすっ飛ばしてGKまで追いかける。
このクラスのクラブが相手だとこういった差がたった数分で露呈されてしまうんだな〜というのを実感しました。
枚数が少ないサイドでの起用は余計に難しいわな。
かと言ってサンチェスを出さないという選択肢も出場している選手のモチベーションや集中力を乱してしまいそうで難しいし…(そして何よりあの展開で出さなかったらサポーターの不満が半端ないやろうしw)
やっぱりラカゼットとの交代が1番理にかなってるように思えるんよね〜。
でも、このような隙を短時間で2度もコンテに見せてしまえば当然のように狙われてしまう/(^o^)\
コンテ「バカヨコの推進力、4バック変換、サンチェスの守備の甘さを利用すればボール運びは計算できる。よし。後はファイナルサードの攻略だな」
後半24分、ウィリアン→アザール
は・や・す・ぎ・ん・だ・ろ・☆
コンテ半端ないって。アイツ半端ないって。相手の弱点直ぐ見つけて2分後には手を打ってるんやもん。そんなんできひんやん普通…。
そしてその2分後にこの試合貢献度がかなり高かったウェルベックが負傷と…アーセナルに更なる不安要素ガガガ…。
ここで一旦選手の配置について整理。アーセナルはウェルベック負傷でサンチェスをシャドウに落とし、ジルーを最前線に。
チェルシーはセスクをアンカー、バカヨコとカンテをIH、投入したアザールをセカンドトップ的な位置に配置した3-5-1-1のシステム。
となっております。
で、サンチェスのシャドウ起用について。守備面も心配なのですが、それと同じくらい攻撃面でも心配な事が。まだポジショニング放棄の整備ができていないんですよね〜( ̄▽ ̄)
・サンチェスのポジショニング。
局面はアーセナルの攻撃。コシェルニーからイウォビへ縦パスが入る所。
チェルシーは後半からCHにバカヨコを投入していますが、それはイウォビの間受け対策にはなっていませんでした。
バカヨコは体の使い方が上手く、対人では絶対負けない強さがありますが、ボールを保持していない時の動きが少しモッサリとしているため、正確なポジショニングとパスの質の高さがあれば充分に間受けが出来る状態でした。
※後半、アーセナルのチャンスが少なくなったのは、チェルシーの守備が良くなったからというより、チェルシーのビルドアップが安定した事によりアーセナルの攻撃頻度が下がったから。と言った方が正しいと思う。
ここでもイウォビの間受けに対して、誰がマークに付くのかハッキリしていないため、4人がイウォビに食いついてしまっています。
自分に4人が食いついたのでイウォビはベジェリンを使って空いたラムジーへパス。
相手が右サイドに寄ってきているので、ラムジーは前半の決まり事の通り、相手が少ない左サイドへ展開するのですが…。
このポジション被り。せっかく数的・空間的優位を作り出せるのに、逆に自ら選択肢を削ってしまってどうすんねんっていう…。
ジルーとの距離感も遠く、左サイドからの攻撃は前半の多彩さと打って変わってクロスでしかチャンスを作れないようになってしまってました。
前半あれだけ苦労して、まだ解決策を見出せていない形を突然相手が勝手に止めていったのだからチェルシー側はさぞラッキーと思ってるやろな〜( 笑 )
・ベジェリンの高ポジ— やわやわゔぇんげーる (@cbmkmcxtoia7w20) 2017年9月12日
・サンチェスのポジション放棄
によってCBがボールを保持した時にパスコースが丸被り、という事があったのがリバポ戦。
ここまで綺麗に被らなくても、自分達で自分達の攻撃の選択肢を削ってしまうという場面が何度かあった。 pic.twitter.com/kOw5sYmXu0
ここはまだリバプール戦の大敗からの課題が継続中と…。昨季終盤戦のようにライン間で我慢出来るようになってくれーい。
で、サンチェスがサイドに張り続けるのでラムジーが代わりに間受けを狙うのですが…。
敵の枚数が多すぎてロスト→中盤のカバーリングに誰も入っていないので(エジルいたらな〜)ネガトラ時にジャカ脇がスカスカって最悪な流れに。これでCHのポジショニングが悪いんじゃ〜とばっかり言われるのはちょっとな〜と。
チェルシーはここから戦術アザール発動で決定機まで持って行ってしまいました。(チェフがキャッチしたアレ)
ちなみにシャドウでのサンチェスの守備なんですが、案の定ダビドルイスを追っかけていって、アスピリクエタに前進を許すって場面が3.4回ありました。
その内の1つなんですけど注目して欲しいのはチェルシーの中盤の選手のポジショニング。
アーセナルの2CHの間と脇に3選手を配置するようになります。(アザールはそれまで本当に自由にポジショニングしていた)
このポジショニングの厄介な所は、CBの迎撃が届かない位置なため2列目の選手で対応するしか無いこと。
だからアーセナルのSHを、絶対に守備参加をしなければならない・しかもスライドを素早くしなければ大外が空くよ〜って状況に追い詰める事が出来ます。(この時間帯のイウォビにはかなりキツイタスク。ウェルベックが負傷していなければもっと早く下げる予定だっただろうし)
…なんだけど…
これも前半のアーセナルがやってたヤツやんけ( ̄▽ ̄)
コンテさんはボスのファンなのか?( 笑 )
ちなみに、このシーンのアーセナルはコシェ→ラカゼット→ジャカでチェルシーに間を意識させる事でウィリアンを絞らせ、大外のコラシナツへパス→シュートって形で攻撃が終わりました。
このチェルシーの配置を見たボス。
ボス「SHの守備の強化が必要だな。」
2分後、イウォビ→エルネニーでラムジーがシャドウの位置に。
なんか交代の速さでコンテに対抗してきた( 笑 )
自分はこれ、この戦況・現戦力で最適な1手と思ってるんですけどどうですかね?
後にダビドルイスが退場してチェルシーが守り切る体勢に入った事によって、この交代の効果はさほど表れなかったのですけど、カウンターの強度は維持しながら、守備の強度をアップする。
つまり負けない事を最優先(滅法相性の悪いスタンフォードブリッジでの勝ち点獲得はかなりデカイから)にしながら、勝利を狙ってけというメッセージがチーム全体に伝わったと思います。
試合はこの後、カード連発のちと荒れた展開となり、0-0のスコアレスドローで終了。
・この試合の雑感。
勝てた試合でしたね。タラレバになるのですが、ラムジーのポストとその後のラカゼット、ムスタフィのヘディングのどれかが決まっていれば今日のアーセナルの集中力なら守り切れたと思います。
この試合、アーセナルが機能していた理由としてイウォビ・ラムジーが上げられているので振り返ってみようかな〜(3CBの選手達とチェフについては今更言う事が無いのでw)と思います。
<イウォビ>
自分の色をかなり出せていたと思います。絶妙はポジショニングと間受けのセンスの良さでチェルシーの守備の基準点を狂わせていました。このイウォビのプレーによって他の選手にかかる圧力はかなり軽減されていたと思います。ただ、それだけ自分の特徴を出せていたのにも関わらず、プレアシスト止まりで得点を演出するような場面が無かったのは個人でのレベルアップが必要なところ。
守備面も前回の試合から中2日での先発という事もあり、頑張っている事は充分伝わりましたが、「相手の左CBが右利きで縦に運べないケーヒル」だった事の恩恵をかなり受けていました。これがマッチアップの相手がフェルトンゲンやモンレアルのような左利きの選手だったら、走力不足が原因でプレスが間に合う前に縦のスペースを使われている可能性が高いと思います。
まあざっくり言えば、チームのスタイルにはハマってると思うんで、後は走力強化だったり得意なプレーが封じられた時の選択肢の増加だったり、個人での力量アップが必要だって事!頑張れい!
<ラムジー>
この試合で活躍しちゃった事によりエジルとの相性が悪いとか言われちゃってるラムジー。そこじゃないんだよな〜と。
ラムジーの調子が良い時と悪い時で一番違うのは「相手(のシステム)」。
この試合はミラーゲームでマッチアップの相手がハッキリしていたため、殆どのプレーが1対1で行われていました。つまり、
リバプール戦のような、「システムが噛み合わない事によって守備の基準点が曖昧になり、1人に2人食いついてしまってジャカ脇がスカスカになる」
みたいな事が殆ど無かったという事。
その証拠にラムジーはFA杯決勝やボーンマス戦はエジルがいる状態でも活躍出来ています。
だから今後の課題は明確で、システムが噛み合わない相手に対してどのようにプレスを掛けていくかという事を整備する必要があると思います。
まあ、これは個人というよりチームでの問題の方が大きいか。ボス修正頼んます!
<3-4-2-1について>
付け加え。リバプール戦からの修正として間受け対策がみっちりされていたのは個人的にかなり嬉しかったです。前プレも相手の状況を見て正確な判断で行えていたので、前半のチェルシーはかなり苦しんでいたと思います。
それに対戦相手が今日のアーセナルのような前プレをしてきた場合、WBを使ったプレス回避だけでは無理があると思います。アーセナルの前線は今日のチェルシー以上にロングボールでのプレス回避が計算できませんし…。
やはり独力でプレスを剥せる選手が必要か…。
ただ、ELを観た感じトップ下感覚でのプレーが多いので3CBシステムで使うとしたらシャドウか、3-1-4-2のIHやろね😁😁
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