【ビルドアップとGKに関して】

 





もうどんな感じで書いていたのかさえも忘れてしまった。久し振りの更新。リバプール戦について。


結果は1-3の敗戦。このスコア自体は、現在の両チームの立ち位置を考えれば、受け入れられない!というモノでは無いでしょう。(もちのろん勝ちたかったガネ)


しかし、試合内容のとある部分にショックを受けたアーセナルファンはそれなりに多いのではないでしょーか。


それはGKからのビルドアップです。


アルテタ就任以降、この部分に精力的に取り組んできたアーセナル。

シティ戦のオバメヤン、CSリバプール戦のオバメヤン、フラム戦のオバメヤン…とトップクラブ相手の試合も含めて、再現性の高い形で得点を重ねられるようになっていました。


しかし、新生アーセナルの象徴・自信の源とも言えるこの形が、この試合では、得点シーンを除きすっかり陰を潜めてしまっていました。


終始バタバタ感が収まらず、そのアーセナルに見せつけるかのように、高精度フィードを飛ばしてくるリバプール。。


コミュニティシールドとはいえ同じ相手にもっとやれた。中盤とバックラインのメンバーは変わらない。それなのに明らかに精度が落ちている…


と言うことで、現在、様々な場所で見かけるのがレノ or エミマルの論争です。


今回はその部分を中心に「前回(コミュニティシールド)と何が違ったのか?」について個人的な意見を綴ろうと思います。



・アーセナルのビルドアップ


アーセナルのビルドアップのコンセプトを簡潔に言うと、引き付けて出す、引き付けて出すの繰り返し。

11対10の優位を最大限に活かして組み立て、相手が前に食い付いてくれば、縦パス(主に両SBやジャカからの)を起点に一気にスピードアップ。

疑似カウンターと言うように、快速アタッカー達にスペースのある状態で素早く攻撃させます。


先述のシティ戦のゴールは、その最も綺麗な例と言えるでしょう。




すゔぁらしい。




このようなビルドアップの過程で大切になるのは、「相手が前からプレスにきている最中でも、オープンな選手を作る」ということ。

そして、そのための方法の1つが「中盤に当てる」というプレーです。



【バックライン&GKでボールの横移動が連続する場合】




自分の真横からくるこのボールを、ワンタッチで外に広げるのは難しい。(もちろん、体勢やパスの質、相手のプレスによるが。)





トラップしている時間で相手に距離を詰められる。

かつ、展開が読まれやすく、次の受け手もプレスに捕まりやすい。



その結果、パスの質が悪くなったり、それに伴うコントロールミスが起きてしまう。



こういった横移動→横移動→SBエリアでのロストという流れは、19-20の前半戦・エメリ🍎アーセナルの時によく見たなあと感じる人も少なくないのではないでしょーか。



【中盤に当てる場合】

そこでアルテタ就任後、特に3CBへの変更以降、「多少相手に捕まっていても中盤に当てる。中盤はバックパスや横パスでボールを空いたスペースに逃がす。」といったプレーを多用するようになったアーセナル。


一旦パスを内側に打ち込むことで、マネやミルナーの矢印を中盤に引き付けて、スペースを作る。






↓↓↓は後ろの選手(ミルナー)が中盤(エルネニー)を捕まえ、WG(マネ)がそのままバックラインにプレスにきた場合。






CBにとって、斜めに落とされたボールは真横から来るボールよりも遥かに処理しやすい。

このシーンではダイレクトで叩き、ベジェリンがオープンな状態でボールを受け取る事ができました。




そして、その流れから生まれたのがこの得点ですね。




こっちもワンダフォー。


もちろん、これらのプレーはカットされれば即失点のリスクと隣り合わせであり、何でもかんでも中盤に当てればいいと言うわけではありません。


しかし、この「中盤に当てる」というプレーは、ビルドアップでオープンな選手を作る上で重要なファクターになっていることがわかります。




・レノとエミの違い



そして本題。アンフィールドでの試合との違いについて。


先日のアンフィールドでのレノは、このような中盤に当てるパスがほとんどありませんでした。


スタッツでみると、ジャカへのパスが3本、エルネニーへ4本、セバージョスへ4本。エミマルのスタッツが載ってなかったので、これが多いのか少ないのかは測りかねますが、試合を見た感じでは、そのどれも上記のようなスペースを作るキーポイントとなるものとは言えず。


相手を食いつかせる餌のパスを打ち込めず、オープンな選手を作れなかった(常に相手のプレスに捕まった状態でプレーしていた)というのが、この試合でビルドアップに苦しみ続けた理由だと僕は思っています。


ではなぜ、中盤に当てることが出来なかったのか。
本気モードのリバプールのプレス強度等々色んな要因があるでしょうが、その主たる原因はレノの足の使い方にある、というのが僕の見解です。


【エミの場合】


右サイドからきたボールは左足で。左サイドからきたボールは右足で。本人のインタビューにもあった通り、所謂"遠い方の足"を徹底しています。

そのため、常に中盤を視野内におさめていて、かつ、相手のプレスを自分の元へギリギリまで引き込み、味方にスペースを作ることが出来ています。



【レノの場合】

一方、エミマルとは異なり、レノの方は常に右足中心でボールを扱っていました。





相手のプレッシャーを諸に受けていて、どこか危うく、パスで工夫する余裕がない。



恐らく、「トラップする」「狙った場所へボールを蹴る」等のボール扱いの技術においては、レノとエミに大きな差は無い(仮にあったとしても、ビルドアップに与える影響は大きくない)でしょう。


しかし、レノの場合は、相手選手に近い足でボールを扱うことが多く、その分プレッシャーに敏感になりやすい。


そして、その結果、早い段階で焦ってしまい、「もう一歩繋いでほしいタイミングで大きく蹴ってしまう」、或いは「充分にプレスを引きつける前に、とりあえず横に渡した、という形のパスをしてしまう」という傾向が見受けられます。






このような要素が、ビルドアップにおいて、コミュニティシールドと先日の試合との間で差を生んだ要因の1つになったと僕は考えています。




・レノはアルテタのチームにフィットする?


これに関してははっきりとYesと答えたいです。まあ、一応未来に絶対は無いという予防線は張っときますが。


まず最初にハッキリさせたいのが、「足元の技術=ビルドアップ能力」ではないよね、ということ。


GKのこの近距離ビルドアップの場合、最低基準さえ満たしていれば、足元の技術よりもスペースの認識だったり、成功体験から得た動かし方だったりの方が遥かに重要になってくる。


それゆえ、この部分は環境が整えば年齢関係なく伸びる例が珍しくない。


最近の例で言うと、インテルのハンダノビッチはめっちゃうまなったよねー。


レノに関しても、精度とかそんなんよりも逆足を使うところだったりの、意識や慣れの部分の問題だと思ってるので、アルテタの指導の下でもっと場数を増やしていければ必ず上達すると思ってます。





GKについてのお話は以上です。以下余談。


・CBのポジショニング

これは後半中に思ったこと。


…CBの距離近すぎない??




近すぎてサラーが1人でルイス→レノ→ホールディングの3人にプレスをかけられる状態。


相手を動かしてスペースを使いたいってチームが、3人を1人で対応されちゃ、そりゃ繋げんわあー。


ルイスの方は以前から内側で受けて、全体を見渡しながらボールを扱うことが多かったけれど、この試合はホルディーニまで内側に。



これはコミュニティシールドの時。全然違いますなー。


マネの圧力を嫌がったんかねえ。まあ別にずっと継続されるもんでは無いでしょー。


・3CBとアウアー


アルテタ・アーセナルのNo.1ターゲットで、現在交渉中とされるリヨンのフランス代表、アウアー。


が、個人的にはどんな起用法をするの?ってとこがあまりパッとしない。


現在の3-4-3に強引に当てはめるならば、左シャドウか2CHのところでしょう。が、層が飽和気味の前線or最適性から外れてる2CHのために、アウアー獲る??となる。


仮に4-3-3に移行するならば、アウアーの最適性ポジションは作れるじゃろう。が、今まで全く4-3-3を試していないのは何を懸念してのものだったのか!となる。



難しいですわあ。。



・終わり

・更新していない間にシステムが新しくなってた。めちゃくちゃ使いやすい。

・「このくらいの時間で書き終わるぞ」っていう見込みが正解したことない。

・アウアーはよこい。

・本文と矛盾したことを言ってるように聞こえるかもしれないが、レノが足元ない扱いされてるのを見るとなかなか腹が立つ。 

・ガブリエル3号機最高です。

・最後まで読んでいただきありがとうございます。
















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